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この記事の内容
- 1 スバルの期待通り(予想以上?)のレヴォーグの予約状況
- 2 レヴォーグのうらやましいところ1 最高出力300馬力、最大トルク400N・m
- 3 レヴォーグのうらやましいところ2 1.6リッター直噴ターボエンジン
- 4 レヴォーグのうらやましいところ3 アイサイトバージョン3(ver.3)
- 5 レヴォーグのうらやましいところ4 マルチインフォメーションディスプレー
- 6 レヴォーグのうらやましいところ5 質感の高い塗装
- 7 レヴォーグのうらやましいところ6 8速のマニュアルモード
- 8 レヴォーグのうらやましいところ7 ビルシュタイン製のダンパー
- 9 レヴォーグのうらやましくないところ1 全長のみを抑えたボディサイズ
- 10 レヴォーグのうらやましくないところ2 狭くなった後部座席の居住性
- 11 レヴォーグのうらやましくないところ3 18インチになったタイヤサイズ
- 12 レヴォーグのうらやましくないところ4 オーディオ周りの質感・内装の質感
- 13 レヴォーグのうらやましくないところ5 レガシィとそっくりのリアのデザイン
- 14 レヴォーグのうらやましくないところ6 後退速度リミッター
- 15 日本のユーザーを捨てたと思われていたスバルの熟慮の一手
- 16 現行のレガシィツーリングワゴンオーナーはレヴォーグを購入するか?
- 17 海外向けにどんどん大きくなるレガシィに乗り換えるか、または、レヴォーグに乗り換えるか?
- 18 レガシィツーリングワゴンが日本からなくなることはレガシーオーナーとして悲しいことではあるが・・・
- 19 価格以上の性能、コストパフォーマンスで最強の車
※アクセスの多いレヴォーグの車中泊に関する記事は別途こちらに作成しました。
【記事】レヴォーグ(レガシィ)での車中泊に関してまとめてみた(最適度合い・グッズ・コツなど)
スバルの期待通り(予想以上?)のレヴォーグの予約状況
スバルレヴォーグの予約の好調さが伝えられている。
当初の発売日を延期するほどの人気ぶりだ。発売日を延期する割には、ディーラーへのデモカーのデリバリーは順調なようであり、これもスバルの戦略なのだろう。
レガシィツーリングワゴンの後継車であるレヴォーグは、スバルの威信をかけた車であり、今後のスバルの国内業績を占う大事な1台だ。異例ともいえる形で発売前にかかわらず、レヴォーグについては多くの情報が開示されている。それらを確認する限り、多くの点では私の乗るレガシィツーリングワゴンよりも進化している。
しかし、私の乗るレガシィツーリングワゴンよりも悪くなっているところがあるのも事実だ。今回は、それら情報を元にレヴォーグのうらやましいところとうらやましくないところ(メリット・デメリット)について考えてみたい。
(参考記事:レヴォーグに試乗して感じた評価(インプレッション・試乗記)レヴォーグは買いか? )
(参考記事:レヴォーグの魅力について考える )
レヴォーグのうらやましいところ1 最高出力300馬力、最大トルク400N・m
最初のレヴォーグのうらやましいところは、レヴォーグのエンジンについてだろう。
燃費を重視する日本の普通車マーケットでは、馬力やトルクという言葉は忘れられており、あるのは「燃費・燃費・燃費」という言葉だ。そんな中、2.0GTアイサイトのエンジンは「最高出力300馬力、最大トルク400N・m」だ。それは、市販乗用車では驚異的な性能であることは間違いないだろう。
車を道具として使用するレベルであればそもそも不必要なエンジンのレベルだ。または、お金持ちが趣味で買う外国車のレベルだろう。
私の5代目レガシィでも相当に大きな馬力を発生するエンジンだが、それでも285馬力で、その差は小さくない。私のレガシィと比べても確実に速いだろうし、このクラスのステーションワゴンのライバルを探すこともなかなか難しいだろう。
レヴォーグのうらやましいところ2 1.6リッター直噴ターボエンジン
1.6リッター直噴ターボエンジンも負けてはいない。1.6リッターであるもののターボ化によってNAでは2.5リッター並のパワーとトルクを備えるエンジンだ。
最近ではマツダのアテンザワゴンなどディーゼルエンジンのトルク特性に注目が集まっているが、やはり速いのはガソリンターボエンジンだろう。その点で、マツダのアテンザワゴンといい勝負をするのではないだろうか。
なお、使用するガソリンもレギュラー指定である点もよい点だろう。また、JC08モード燃費で1リットル当たり17.4 kmとAWD(4WD)では考えられない数字も驚きだ。1000キロを無給油で走りきれるAWD(4WD)なんてにわかに信じられない。
パワーでは2リッターターボエンジンに見劣りするため、やはり私の好みは2リッターターボエンジンが好みだが、1000キロ走るAWDかつガソリンターボエンジン車。
これは、ついにマツダのアテンザディーゼルを超えたかもしれない。それぐらいの大インパクトだ。
レヴォーグのうらやましいところ3 アイサイトバージョン3(ver.3)
私にとっては最もうらやましい変更の1つがこのアイサイトのバージョンアップだ。
薄くてコンパクトになったアイサイト用カメラは、カメラがあることに対する違和感がより少なくなっているのに、性能は大幅向上している。
カメラは、望遠化と広角化で、認識できる範囲が広がったのに加え、カラー化によって前の車のブレーキランプまで認識できるようになった。
アイサイトの性能的には、安全面でも操作面でも大幅に向上することとなるだろう。衝突回避の可能な相対速度も、時速50km以下へと拡大した点もそれを示している。
レヴォーグのうらやましいところ4 マルチインフォメーションディスプレー
以前にインプレッサでもこれはうらやましく感じたところであるが、新しいレヴォーグにもマルチファンクションディスプレーが搭載される。以前インプレッサを見て思ったことだが、この小さなディスプレーが意外と面白く、所有する満足につながるものだった。
レガシィをはじめとして、スバル車を所有する多くのオーナーは、メカが好きだったりするだろう。マルチファンクションディスプレーは、車のあらゆる状態をカラーで表示するものだが、表示される種類の多さやその作り込みは、そういったメカ好きの心をくすぐるものであるはずだ。
今回の新しいレヴォーグには、燃費を向上させるようなゲーム等も入っていてさらに進化しており、所有者の遊び心などをくすぐるだろう。
レヴォーグのうらやましいところ5 質感の高い塗装
私が所有する5代目レガシィツーリングワゴンで、不満のある箇所というと、1つが塗装の質感だった。
私のレガシィは別途コストをかけて、特別塗装色のホワイトパールにしたが、その輝きはパールっぽくなく、どう見ても普通の白にしか見えなかった。
その後、ガラス系のコーティング剤をしっかりと塗り込むことでパールホワイトらしさが引き立ったが、そういったコーティングをしていない人にとっては、同様の不満を抱える人もいることだろう。
(参考記事:レガシィ乗りが考える、買ってよかったと思えるモノ・グッズまとめ)
レヴォーグでは、新しい塗装の技術が採用される。というのは、従来のクリア層よりも質感の高い新素材を厚みを増して採用するというものだ。パールホワイトについてもよりパール色らしさが出ることだろう。
レヴォーグのうらやましいところ6 8速のマニュアルモード
私のレガシィは、CVTではない最後の5速ATレガシィだ。
やはり5速ATだと見劣りするなぁとちょっと昔考えていたが、DITのレガシィがCVTで登場し、8速を裏技的に実現した点では驚かされたものだ。同様にレヴォーグについてもそれが踏襲される形だ。
DITのレガシィが登場した際は、無段変速を8速に無理やり見せかける手法に意味があるのだろうか?と私は疑問に思ったものだが、市場でも違和感なく受け入れられているようで、それもスバルの技術力の高さによるところが大きいだろう。
トランスミッションを多段化すると機構が複雑になり、故障した際に困るというのも聞くようになった。CVTを用いた擬似的な多段化の方が、作りはシンプルになるかどうかはわからないところだが、こういったアプローチもアリなのだろう。パドルシフトを最近の多用するようになった自分にとってはうらやましい機能だ。
レヴォーグのうらやましいところ7 ビルシュタイン製のダンパー
私は、現在のレガシィが初めてのスバル車であるが、ビルシュタイン製のダンパーは、まだ装着したことがないし、それが装着されている車を運転したこともない。
現在のレガシィ用にビルシュタインのダンパーなどが用意されているが、アイサイトが装着されているため、適合外となることなってしまうことがネックとなっている。
そうはいえども、せっかくスバルの車に乗っているのだから、ビルシュタインに乗りたいのも事実だ。レヴォーグの2.0GT-Sアイサイトと1.6GT-Sアイサイトにはビルシュタイン製のダンパーが装着されている。
購入した後での変更が難しいだけに、これからレヴォーグを購入しようとしている人は慎重に考えた方が良いだろう。
レヴォーグのうらやましくないところ1 全長のみを抑えたボディサイズ
つづいて、レヴォーグのうらやましくない点について考えてみよう。
まずは、ボディサイズについてだ。
レヴォーグは、サイズ感的に4代目レガシィに近いというが、横幅は一緒で全長が少し短くなった程度である。
実際のところ、取り回しはほとんど変わっていないものと思われ、その割に後部座席の居住性などが悪化した点はマイナスだ。これは、5代目レガシィオーナーなら誰もが感じているデメリットだろう。
レヴォーグのうらやましくないところ2 狭くなった後部座席の居住性
上記のデメリットの続きみたいなものだが、レガシィと比較した場合のレヴォーグの1番大きなデメリットはこれ(後部座席の広さ)だろう。
現在の5代目レガシィは、高級車並みに後部座席が広く、足が組めるぐらいの広さで、もっと高価格な国産セダンや外国車に広さで勝てるところが1つの自慢だったところもある。
新しいレヴォーグでは、ごく普通のセダン後部座席の広さに収まってしまい、後ろに乗っていた人からは、クレームは出ないものの「レガシィの方が広かったね」のような言葉もでるかもしれないだろう。
これは車体長を短くしながらも、荷室容量を大きくしたり、高さを低くしたりしたことの影響だろうが、人を乗せた時に「この車後部座席が広いね!快適ね!」という言葉を聞けなくなるのは、残念なことだと思う。
後部座席に関して別の観点の記事(参考記事:レヴォーグ(レガシィ)での車中泊に関してまとめてみた(最適度合い・グッズ・コツなど) )
レヴォーグのうらやましくないところ3 18インチになったタイヤサイズ
全てのモデルではないが、高性能な2.0GTアイサイトモデルなどになるとタイヤが18インチとなってしまう。これも大きなデメリットだと私は思う。
2.0GTアイサイトのような高性能エンジンを搭載したモデルを選ぶようなオーナーであれば、ブリジストンポテンザのような高性能なハイグリップタイヤをきっと装着したいことだろうと思う。
しかし、そのようなタイヤの場合、17インチでもそれなりに高価なもので、18インチであればそれ以上だ。18インチであれば、タイヤ交換ごとに大きな出費になることは確実で、毎回閉口することになってしまうかもしれない。
また、スタッドレスタイヤについては、ハイグリップタイヤよりも高価な場合も多く、日常的にスタッドレスタイヤを履く地域の人たちにとっても大きな問題があるだろう。
スタッドレスタイヤではインチダウンさせればいいじゃないかと考える人もいるだろうが、それには問題がある場合もある。それは、アイサイトについてだ。というのも、アイサイトが装着したモデルは、タイヤのインチダウンさえ、慎重に行わなければならないからだ。少し頭の痛い問題だろう。
レヴォーグのうらやましくないところ4 オーディオ周りの質感・内装の質感
この点は、一長一短でレヴォーグの方が良いところもあるのでなんともいえない部分があるが、エアコンからオーディオにかけての作り込みは、現在のレガシィの方が高級感かあるだろう。
特にエアコン周りの作り込みは、レヴォーグの場合は、レガシィをベースとしているよりもインプレッサがベースとなっているようなシンプルなデザインだ。私のレガシィは、マッキントッシュのオーディオ設備が装備されているが、それの方が、レヴォーグの方よりも高級に思える。
こういったデザインの印象は、人によって受ける印象が異なるため、一度確認してみると良いだろう。
レヴォーグのうらやましくないところ5 レガシィとそっくりのリアのデザイン
現行レガシィととても似通ったリアデザインもレヴォーグのうらやましくない点だろう。
以前東京モーターショーでレヴォーグを見た帰り道、自分の車に乗り込もうとレガシィのリアを見たところ、レガシィとほとんど同じではないかと驚いたものだ。
レヴォーグは、顔が新しいWRXのように、新しく、尚且つ、カッコよくなっただけに、リアデザインについても独自のデザインを取り入れた方がカッコよかっただろう。
レヴォーグのうらやましくないところ6 後退速度リミッター
最近バックによる事故が多くなっていることを受けて、レガシィのアイサイトも後退速度リミッターを装備して進化した。
後退速度リミッターとは、バックの時にペダルの踏み間違いによる急発進を抑制する制御を行うものだがこういったアイサイトの進化はとても素晴らしいとは思う。
しかし、この機能を搭載していないアイサイト車のオーナーである私でも、この機能が絶対に欲しいというところまではいかないところがあるだろう。
こういった機能は、アイサイトと同じように、保険のようなもので、機能が発揮された時に「あってよかったー!」となるわけだから、欲しい、欲しくないを話すのは、自分自身ナンセンスだとおもいつつ、そんなことを感じた。
日本のユーザーを捨てたと思われていたスバルの熟慮の一手
これまでスバルは、多くの国内のスバリスト達から、「スバルは日本のユーザーを捨てた」、「レガシィは日本のユーザーを捨てた」と言われ続けてきた。
当然レガシィを買い求めているお得意様ユーザーは、北米市場のユーザーだったり中国のユーザーだったりするわけで、口が達者でも、実際はあまり買ってくれない、日本のユーザーはお得意様では無いと言われても仕方がないことではあったと思う。
レガシィの日本卒業とレヴォーグの誕生
そこで、スバルが苦心の上、考えたのがレガシィのツーリングワゴンを日本から卒業させて、その代わりにこのレヴォーグを誕生させるということだったのだろう。
あくまでもスバルの収益源を支えているのは北米市場や中国市場だ。その収益源をないがしろにすることができないので、レガシィについてはそういったお客さんの要望に応えられるようにどんどん進化させていくが、日本の市場からは卒業させる。その代わりに新しく誕生させたのかレヴォーグだったのだろう。
現行のレガシィツーリングワゴンオーナーはレヴォーグを購入するか?
私もその1人であるが、現行のレガシィツーリングワゴンオーナーがレヴォーグを購入するかと言うと、微妙な感じとは答えるだろう。その理由はレヴォーグのサイズ感と、車内の質感の問題だ。
現行のレガシィで満足している人にとって、レヴォーグはサイズ的にインプレッサぐらい小さく感じるし、車内の質感やデザインもインプレッサにとても近いからだ。
現行のレガシィからレヴォーグに乗り換えた場合、ダウンサイジングした車に乗り換えたような寂しい感覚になるかもしれない。それであるならば、あえて乗り換える必要がないと考える人も多くいるだろう。
そのような意味で、レヴォーグは現行のレガシィオーナー向けの車というよりも先代までのレガシィオーナー向けの車なのだと強く感じる。
海外向けにどんどん大きくなるレガシィに乗り換えるか、または、レヴォーグに乗り換えるか?
多くの現行のレガシィオーナーにとって、今後考えられる選択肢は、海外向けにどんどん大きくなるレガシィに乗り換えるか、または、レヴォーグに乗り換えるか?ということだろう。
ただし、レガシィに乗り換える場合は、ツーリングワゴンはないのでアウトバックからB4になってしまう。もし、車に高級車的な要素を求めるのであれば、レヴォーグではなく、レガシィに乗り換えた方がよいだろう。
やはりレガシィの方がレヴォーグよりも高級な内装や広い後部座席を用意してくる可能性は非常に高いからだ。そうではなく、車にWRXのようなスポーツカー的な要素を求めるのであれば間違いなくレヴォーグは買いだろう。
これだけコストパフォーマンスの高い車は世界中を探してもそうはない。
レガシィツーリングワゴンが日本からなくなることはレガシーオーナーとして悲しいことではあるが・・・
レガシーツーリングワゴンが日本からなくなるという報道に接して以来、やはりスバルは日本を捨てたか?というような、ユーザーとして悲しい気持ちになったのは確かである。
しかしスバルは、日本のスバリストやスバルユーザーたちを、そのままにはしなかった。レヴォーグという優れた新しい車を日本市場に誕生させた。
このレヴォーグは、レガシィが産み落とされた時のように、日本のユーザーに可愛がられる素性を持っているだろうし、第二のレガシィとしてスバルの代表車種になる可能性が大いにあるだろう。
価格以上の性能、コストパフォーマンスで最強の車
しかしトータルでレヴォーグという車を考えてみると、これだけの内容のAWD(4WD)の車でこの価格に抑えたのはさすがといえるだろう。
レヴォーグの目玉となるであろう1.6GTアイサイトで277.56万円、最強のスポーツツアラーである2.0GTアイサイトで334.8万円だ。ライバルは海外のアウディA4アバントやBMWの3シリーズツーリング、フォルクスワーゲンゴルフだろうが、エンジンの高性能さなどを考えると価格が別次元に違う。この価格帯でこれだけの性能の外国車を探すことは不可能だ。
運転支援システムの面で見ても、たとえ高価な車であってもアイサイトを上回るものは現状ではほとんどが思いつかないし、私がそうであったように、アイサイトだけのためにこの車を購入する価値さえあると思う。
レヴォーグを認める人にとってはレヴォーグよりも大金を払って、遅くて安全でない外国車を買うことが馬鹿らしくさえおもうだろう。
後部座席の広さなど最終期のレガシィオーナーにとっては頭の痛いところではあるが、そうでない人にとっては、レヴォーグというのは多くの人に勧められる車だと思う。
(参考記事:レヴォーグに試乗して感じた評価(インプレッション・試乗記)レヴォーグは買いか? )
(参考記事:レヴォーグの魅力について考える )