レヴォーグに試乗して感じた評価(インプレッション・試乗記)レヴォーグは買いか?

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レガシィツーリングワゴンの進化形、レヴォーグに初めて乗った

2013年の東京モータショーで初めて見て以来、街でもよく見かけるようになったレヴォーグであるが、私は一度も乗ったことがなかった。

やっと、そして待望であるが、レヴォーグに試乗することができたので、その感想について紹介したい。乗る前から良い予感はあるものの、本当にレヴォーグは「買い」なのだろうか?

デザイン 東京モーターショーで見たときよりも実車のほうがかっこいい

私はレヴォーグを初めて見たのは2013年の東京モーターショーだ。その時は、正直相当にかっこいいとは思わなかった。

それにはいろいろ理由もあると思うが、例えば、展示の方法などもあったのだろう。東京モーターショーでは上からや下からのアングルで見られるように工夫されていたが、混雑していて水平位置からあまり見られなかったところもあったからだ。

実際に水平位置から見るとレガシィなどと比べてもローダウンしているかのように低めに重心がなっててそれなりにかっこいい。やはりリアビューなどはレガシィにいているが、それでも東京モーターショーで見たときよりかはだいぶかっこいいと思う。

またモーターショーのときには、 白色の車が展示されていての、このボディカラーはないなと思ったりもしたが実際の車を見るとそんなこともないようだ。それなりにかっこいい。

室内の質感 レガシィよりも上でインプレッサと同等

車内の質感は向上しているものの、やはりレガシィベースというよりもインプレッサベースを感じさせるものとなっている。それでも私のもっている5代目のレガシーより質感は上だ。

しかし、現行のインプレッサを大きく超えるものでもない感じでもあり、インプレッサと比べて100万円程度高級な車であるのにその実感が乏しい感じもする。

特にエアコンなどの操作系のところはほぼインプレッサに近いような印象だ。室内は、5代目のレガシィと比べると少しコンパクトに感じる。全高が10cm程度下がっているところが影響しているようだ。

荷室 後席の前後スペースやスペアタイヤのスペースを削って得た荷室スペース

さすがレガシィのシリーズを作り続けてきたスバルだけのことはあって、全体がコンパクトになっても荷室は小ささを感じさせない。5代目のレガシィ同様のレベルで荷室は広い。

スペアタイヤがなくなりパンク補修キットとなったため、スペアタイヤスペースも荷室となっているため、レガシィ以上の部分もある。しかし、ランフラットタイヤでもない通常のタイヤにおいて、スペアタイヤをなくすことに、疑問を感じる部分がある。

後席 後部座席における10cm短くなったことの影響は大きい?

後部座席についてはたった10cm程度広さが狭くなっただけであるが、実際に座ってみるとレガシィの時よりもだいぶ狭くなってしまったと感じるところがある。

荷室容量はこだわる箇所であることは十分に理解できるものの、荷室容量よりも後席スペースを優先して欲しかったと5代目オーナーとしては感じたところだ。

私の場合であるが、後部座席には家族が座るため、レヴォーグに買い換えた場合、家族から不満がでるのは当然に予測できる。新しいレヴォーグは大柄であったレガシィからサイズダウンを果たし、スリムな格好良さを手に入れた。しかしそれを手に入れるために失った代償もそれなりであるとは思ったところだ。

運転感覚・エンジン 運転がしやすいが、ターボモデルは前後方向の揺れ(ピッチ)に注意が必要

実際に運転してみた感覚は、車両が一回り小さくなった感覚で、横幅はレガシィから変更がないものの、なぜか運転しやすいように感じた。視界が上手に工夫され、四隅の見晴らしが良くなったことが大きいだろう。

やはり、2.0の直噴ターボモデルは、それなりに速い。285馬力のレガシィに乗っていて、300馬力のレヴォーグは若干のアップにとどまるがアクセル操作に気を使うほどレスポンスは良い。ピッチを感じやすいというのもあるだろうし、CVTセッティング特有のものなのかもしれないと思う。

速く感じたのは、このピッチが影響している可能性もあり、本当は体感以上に速くない可能性もある。そのような面で、ボディ剛性は横方向のロールはよく抑えられているものの、縦方向のピッチには今乗っている改造後のレガシィには及ばない印象である。

少しきびきびと走った場合は、同乗者の不快感につながる可能性はある。やはり、速く走り、かつ乗り心地を改善するためにはタワーバーなどのSTIパーツやリジットカラーの装着は必要不可欠だろうとは感じた。(参考記事:STIパーツ「フレキシブルサポートリヤ」は装着すべきか? )(参考記事:STI製フレキシブルタワーバーを装着してのインプレッション )(参考記事:レガシィでのリジットカラーの効果

しかし、乗り心地については総じて良好だ。

1.6リッターモデルと2.0はどちらを選ぶべきか?

多くのレヴォーグ購入者にとって一番悩ましいのがこのエンジン種類の選択の問題だろう。

もちろん自分的にはおすすめは、2.0リッターエンジンだ。もちろん、予算の問題が大きいため、予算が合えばというところだが。

どちらとも試乗したが、2.0リッターは一般道では実力をもてあまし気味な印象がある。パワーが過剰なのだ。しかし、高速道路、例えば新東名みたいなところに持っていくと、ストレスが全くない加速を味わうことができるだろう。

一般的な車をちょっとしたアクセルワークで追い越していけるのは、運転して楽だし、この車を選んで良かったと実感できるだろう。気持ちいいのはもちろん車好きにとって一種の快感だ。

そういったことから、高速道路をあまり多く走らないオーナーであれば、1.6リッターで十分だ。もちろん1.6リッターでも高速道路を十分に気持ちよく高速巡航することは可能だ。また、1.6リッターはガソリン種類にハイオク指定ではない点もお財布に優しい。うまく高速を走れば、1回の給油で1000キロ以上の距離を走れるなんてAWDでは夢のようだ。

パドルシフト

レヴォーグの場合は、モード設定をS#モードにすることでCVTが疑似8速化するようになっており、その変則についてはパドルシフトを使用する。そのパドルシフトも試すことができたが変速にギクシャクしたものを感じた。

まだ新しい車であるため、慣らしが終わってない部分もあると思うし、もしかしたらCVTであることが要因となっているかもしれないが、十分に検証することができなかった。

オーディオ マッキントッシュなどのサウンドシステムは用意されない

レガシィでマッキントッシュのモデルに乗っている人も多いと思うが、レヴォーグの場合は、マッキントッシュのオーディオは用意されない。

300万円以上、オプションを含めると実質400万円を超えるような車を買うにあたっては、オーディオも重要な要素であり、他社はBOSEのサウンドシステムを用意している車もある中で、これはデメリットだろうと思う。

レガシィのツーリングワゴンが廃止された今、実質的なトップブレードにレヴォーグが位置することになったのではあるが、室内の内装などはインプレッサ寄りな感じがするところはこういった理由も大きなものとしてあると思う。

アイサイト 機能のためにレヴォーグを購入する価値さえある

注目のアイサイトver.3であるが、短時間の試乗では、十分に検証することができなかった。

特に、私が強く試してみたいと考えていたのは、アクティブレーンキープ機能であったが、アクティブレーンキープは、時速65キロ以上で動作し、かつ、道路の線が両サイドしっかりと配置されていることが必須であり、高速道路でしか使えないようなものであった。

短時間の試乗ではそこまでも行えず、その点では残念な試乗であった。私のアイサイトはver.2であるが、ごく普通の試乗であれば少し制御が緻密になっている位の変化しか感じられない。

これは悪い意味ではなく、私のアイサイトver.2であってもかなり完成度が高いということだ。ver.3は大きく進化しているが、旧世代のver.2であってもまったく他社システムと比較して見劣りしないため、ver.2から買い換える必要性を感じにくいのが、ver.3の良い意味での欠点だろう。

アイサイトをまったく使ったことのなかった人にとっては、この機能のためにレヴォーグを購入する価値さえあると思う。たとえ2.0リッターのターボモデルでなくとも、フルバージョンのアイサイトver.3のついている車を購入するということだけでも価値はあるだろう。

レヴォーグは評価できるか?買いか?

5代目オーナーの人にとってはとても悩ましいところであるが、上で書いたような不満が気にならないひとであればスペック等を考えると間違いなく買いだろう。

アイサイトver.3、300馬力の直噴ターボエンジン(2.0リッターモデル)、デザイン、AWDなどこれほど安全でかっこよく、これほど速く、これより安い車は他には存在しないと思う。

ただし、5代目レガシィオーナーにとっては、後席の居住性、マッキントッシュオーディオ、18インチタイヤ、車内の質感などの短所により、なかなか購入に踏み切れない人も多いはずだ。大きくて広いレガシィに慣れてしまった人にとっては、小さいレヴォーグに慣れることはそう簡単ではない部分がある。

※その他の参考記事
(参考記事:5代目レガシィオーナーが考えるレヴォーグのうらやましいところ、うらやましくないところ
(参考記事:レヴォーグの魅力について考える




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