スバルの車が日本で一番「ぶつからない・事故しない車」なのか?

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「スバル車は安全」は本当か?自分や大切な家族を乗せる車を選ぶにあたって思ったこと。

国土交通省と自動車事故対策機構が新車の安全性能を評価する自動車アセスメント(JNCAP)で、新たに予防安全性能の評価が発表されるようになった。予防安全性能とは、新型車の被害軽減ブレーキと車線はみ出し警報がどれくらい事故予防に効果的かを計測し、評価するものだ。

例えば、被害軽減ブレーキ性能では、回避できるスピードが高いほど得点が高くなる。衝突した時の安全性よりも、衝突自体を未然に防ぐ車、衝突安全性能よりも予防安全性能の方が実は重要で、アイサイトの考えもそれらに沿ったものだろう。
スバルの車というと、「安全」というイメージを思い浮かべる人も多い。スバル、つまり富士重工の前身は、戦前の中島飛行機という飛行機の会社であるため、安全性に対する想いというのは飛行機作りから脈々と受け継がれたものがある。

はたして、本当にスバルの車は本当に安全なのだろうか?実際の自動車アセスメント(JNCAP)の予防安全性能評価をもとに考えてみよう。

予防安全性能評価から見るスバル車や他メーカーの安全性能

それでは、実際の得点を見てみよう。平成27年1月時点でJNCAPウェブサイトにて公表されているデータより抜粋した。いずれも被害軽減ブレーキ機能等搭載車で、満点は40点だ。

【レクサス】
LS 40.0点
NX 26.9点
IS 25.5点

【トヨタ】
カムリ 26.2点
プリウスα 25.5点
ハリアー 22.8点

【日産】
スカイライン 40.0点
エクストレイル 32.5点
ノート 28.7点

【ホンダ】
オデッセイ 25.3点
フイット 8.0点
N-BOX 8.0点

【マツダ】
アテンザ 27.6点
アクセラ 25.8点

【スバル】
レガシィ 40.0点
レヴォーグ 40.0点
インプレッサ 40.0点
フォレスター 39.9点

【三菱】
アウトランダー 22.9点

【スズキ】
ソリオ 10.7点
ワゴンR 8.9点
ハスラー 8.9点
スペーシア 8.8点

【ダイハツ】
ウェイク 8.2点
ムーブ 8.2点
タント 8.0点

これらの結果を見て考えられること

これらの結果を見ているといくつかのことに気づくだろう。まず、だいたいのところの平均的な値は、普通車で25点、軽自動車で8.5点ぐらいである。その他の特徴としては以下のようなことがあるだろう。

「新しい車ほど安全」ではない

最近では、予防安全性能を含めて安全装備が充実している車が増えたため「新しい車ほど予防安全性能評価の面でも安全」とイメージする人も多いだろうと思う。しかし、上記を見ているとこれは正しくないことに気づくだろう。

例えば、トヨタ ハリアーは最近フルモデルチェンジを行った比較的新しい車であるが、22.8点と予防安全性能を有する車の中では全体の平均並みか、それを少し下回る程度だ。予防安全性能の面では、各自動車メーカーのそれに対する本気度のようなものが現れているようにも思えるだろう。

「高価な車ほど安全」ではない

これも同様だ。予防安全性能の面から言うと、高価な車ほど安全というわけでもない。

確かに満点のレクサスLSのように、高価な車で安全な車もあるが、全ての高価なレクサス車が満点かというとそうではない。レクサスNXやISは予防安全性能の面ではごく平均的な点数であることからもそれがわかるだろう。

ただし、軽自動車やコンパクトカーは予防安全性能で大きな車に劣ると考えて間違いないだろう。特に軽自動車やそれに近いコンパクトカーなどは軒並み8点〜10点程度の車を多く確認することができるだろう。

やはり、ぶつからない車などのキーワードで売り出している点などは普通車でも軽自動車でも同じではあるが、予防安全性能の面では大きな違いがあると言って良い。

軽自動車における予防安全性

それでは、なぜ軽自動車の予防安全性能は、その他の普通車等のそれと比べて大きく劣るのだろうか?やはり、それは軽自動車ならではのコストの問題があるのだろう。

軽自動車における被害軽減ブレーキは、赤外線レーダーを用いる方式が現在のところ最も普及している。カメラやミリ波レーダー、またはそれらを複合して用いる普通車と比べて、高い速度域では衝突を回避できず、街中における低速域を想定した仕組みとなっているのが、高得点の車種と比べて大きな違いとなっている。

ダイハツもスズキも機能としては似ているが、得点を見ている限りはスズキのほうが予防安全性能の面で優れているようだ。

(参考記事:スズキ車でアイサイト!?安全性の観点からおすすめできる人気軽自動車とは?

予防安全性に関わる機能が何も付いていない車

もちろん、軽自動車であっても街中の所定の場面においては、ブレーキが作動するため、被害軽減に繫がり、場合によっては命が救われる場合だってあるだろう。

このようなことから、軽自動車が得点が低いからといってこれらの車が奨められないかというとそうではない。軽自動車の場合は、多くの場合は高速道路よりも一般道で使われるものだろうし、事故の大半も一般道にて起きるものであるから、これらの装備は相応に心強いものであるだろう。

予防安全性に関わる機能が何も付いていないその他の普通車や軽自動車から比べると予防安全性を高める上では雲泥の差である。点数が低かろうが、こういった機能の付いていない車に乗るぐらいであれば、付いている車に乗る方が、または選ぶ方が良いのは当然のことだろう。

マツダとスバルの決定的な違い

最後に、よく比較される日本の中で大きくない自動車メーカーである、スバルとマツダを比較してみよう。マツダの車は20点台後半と平均よりは優秀なようだが、普通車においてほとんど満点のスバルとは差が非常に大きい。

軽自動車を除く、スバルの普通車3車種が満点、フォレスターもほぼ満点であることは驚きに値することで、ここにコストや技術がつぎ込まれていることがよくわかる結果となっている。

予防安全装備の中でアイサイト(ver.3)が最も安全なシステムか?

この結果にあるように、日本の自動車メーカーにおいては確実にトップであると言えるだろう。最高評価を獲得した5車種中3車種がスバル車であるが、このようなことは一朝一夕においてできることではないことは当然のことだ。

予防安全性能に関わる装備というのは、どの自動車メーカーも同じようなこと、例えば「ぶつからない」などをアピールしていて、イマイチその違いのようなものがわかりにくいし、メーカー側も差別化がむずかしいところだろう。

しかし、このような数値に表されると同じような技術でもはっきりと差があることがわかるし、メーカーとしても本気度のようなものもはっきりと伝わってくるだろう。

スバル車を買う意味

こういった評価がはっきりと出されているような昨今、これら評価の高い車を買うことはとても重要なことだ。

「予防」ではなく「衝突後」の評価である「衝突安全性能評価」については、これまで歴史も長く、多くのデータも公表され、多くの知ることとなっている。これまで、衝突した時に安全な車を重視してきたが、これからはその衝突自体を予防できる車「予防安全性能」を有した車、またはそのような性能が高い車を選ぶべきなのだ。

これは当然のことだろう。「「ぶつかった時に安全な車」と「ぶつからない性能で安全な車」どっちがいいですか?」のような質問を考えてみると良いだろう。ぶつかった時に安全なのは当然のことよいが、それよりもそもそもぶつからないことの方がもっと良いからだ。

予防安全性能を有しない車は買わない

こういった予防安全性能を有する車がぞくぞくと登場している昨今、私たちはどのように車を選んでいけばよいのだろうか?

まず言えることとしては、「予防安全性能の評価が高い車を買うことは当然である。」ということである。アイサイトなどの予防安全性能を有する機能は、神社のお守りよりもはるかに効果的な最高の近代的なお守りなのだ。予防安全性能を有しない車は候補自体から外すべきだ。

そういったことから、スバルは日本で一番安全な車を製造していると言えるし、自動車選びの候補の大本命になり得るメーカーであると言えるだろう。繰り返しとなってしまうが、スバルが予防安全性能ではダントツに優れている。

たまたまの結果ではなく企業の姿勢、安全に対する思想

これは、たまたまでできるものではなく、企業の姿勢だ。日本で一番大きな自動車メーカーである、トヨタ(やレクサス)などの車と比較してみるとよくわかるだろう。

多くのメーカーのように決して一時のはやりで安全性を追い求めているのではない。安全というものに日本一妥協していないところが、アイサイトのそれ以外のシステムとの優位性をはっきりさせている。

アイサイトは、絶対ではないが、多くの場合において、衝突から乗っている人を守ってくれるだろう。または、衝突した場合でも被害を軽減してくれるだろう。これまでは、事故した時の安全性(衝突安全性)に重点が置かれてきたが、これからは事故しないこと(予防安全性)に重点が置かれる。今はそんな流れになっていると思えるだろう。

(参考記事:アイサイト搭載車は完全に事故を防ぐことができるのか?ぶつからないクルマなのか?
(参考記事:「ぶつからない車」が実際にぶつかるとき アイサイトは本当にぶつからないか?

最高のベストバリュー車(コストパフォーマンス車)であるスバルのインプレッサ

ところで、最後に日本で最も安くて、最も安全な車は何か?ということを考えてみよう。

日本で最も予防安全性能に優れ、最も安い車を探したとすると、一番の候補はスバルのインプレッサとなるだろう。200万円以下で予防安全性能評価的が満点の車があること自体が大きな驚きだ。安全性能だけではなく、アイサイトの追従機能付きクルーズコントロールの便利さなどを考えると驚きのコストパフォーマンスだろう。

(参考記事:新型インプレッサをレガシィ乗りが試乗してみた(試乗インプレッション)

こんなに便利で安全な車が安く手に入る国は日本以外にない。そのような点でこの国にいることに感謝せずにはいられないだろう。




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