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この記事の内容
- 1 低価格でも相当に実力が高い「アイサイト」
- 2 アイサイトオーナーとしてのアイサイトへの評価
- 3 「アイサイトはいらない」という意見
- 4 アイサイトが優れたシステムとして評価される理由
- 5 アイサイトはスバルらしい技術
低価格でも相当に実力が高い「アイサイト」
私は元々レガシィに憧れていたわけではなく、アイサイトに魅了されたことをきっかけにレガシィを買った。
日本車では、まだまだ高価で、数も少ない全車速追従機能付のクルーズコントロールをいろいろと探して試乗してみた結果、一番優れていると思ったのが、当時バージョン2が発表されたばかりのアイサイトだったのだ。
そんな経緯もあるので、自分でアイサイトを評価するとしたらもちろん「相当に実力は高い。」という少し甘い評価となるだろう。
もちろん、それが欲しくて買ったのだから評価は甘くなってしまって当然であるが、アイサイト付きの車を購入しようと検討している人のために評価をしてみたい。
アイサイトオーナーとしてのアイサイトへの評価
評価ポイント1 アイサイトの状況判断
アイサイト(EyeSight ver.2)は、状況の判断が適切で精度が高い。一般道路と高速道路の両方において実用的に使用することができる。
※アイサイトは一般道でも動作するが、原則「高速走路」と「自動車専用道路」向けのシステムであることに注意する必要がある。
ただし、認識ミスがないわけではない。稀に、状況判断が遅れる場合や、正しい状況判断が行われない場合もある。
ある程度この車に乗ってアイサイトを使用しているとそのような癖の部分はわかるようになってくるため、心配ないだろう。
予測のつかない急なエラーは約2年間乗っているが滅多におこらないし、万一それが起こったとしても前をしっかり見て運転していれば、追突することはない。あくまでもアイサイトは副操縦士や監視役のような役目だ。
評価ポイント2 アイサイトの全車速追従機能付クルーズコントロール
全車速追従機能付クルーズコントロールの制御についても、比較的自然に動作する。
車間距離が、私にとっては、少し短め(感じ方には個人差があると思う)である所がないわけではないが、高速道路ではとても役に立つ機能だ。ちなみに、車間距離については最新のD型では改善しているようだ。
絶妙なブレーキ操作
微妙なブレーキ操作一つをとっても、まるで人間のブレーキ操作をしているかのようにとてもよく考えられて設計されている。そんなことから、人間が実際に運転している感覚に近く、違和感なくシステムに任せておくことができる。
特に、アイサイト(EyeSightver.2)は、完全に停止する前の、ブレーキ操作がしっかり作り込まれていると思う。
通常、ブレーキをかける際、同じテンションでブレーキを踏み続けると、車は止まるがどうしてもかっくんとなってしまい、これがよく言われるかっくんブレーキと言われるものだ。
アイサイトは、もちろん、かっくんブレーキとなることもあるが、通常多くの場合は、かっくんブレーキにはならない。ブレーキをかけ始めて、車が止まる寸前にブレーキを軽く抜くためだ。
運転が上手い人の実際のブレーキ操作を真似てアイサイトもブレーキをしているのだ。
安心して運転できるようになった
アイサイト(EyeSightver.2)は、自分がメインの運転手でサブの運転手がいるような感じだ。
例えば飛行機は、機長と副操縦士の複数の人で、操縦すると思う。車の運転は1人であるが、このような飛行機を運転する感覚と似ている。
機長は自分で、副操縦士がアイサイト(システム)という感覚だ。
いつもの運転は副操縦士のアイサイトに任せておき、アイサイトが苦手な部分だけ機長である自分が運転をする。
または、アイサイトでは防ぎきれない危険を予測し、機長である自分がブレーキを踏んだりして、危険を回避する。または、自分が感知していない危険に対して、アイサイトが、ブレーキをかけてくれるという逆の場合ももちろんあるだろう。
アイサイトという副操縦士のおかげで運転の疲労を軽減することができる
長距離運転で集中力を使うと、どんどん疲れがたまってくる。アイサイトの場合は、ある程度運転を任せることができるので、必要な集中力も温存しておくことができる。
集中力が落ちると落ちる程、運転のミスがふえるし、事故になる可能性も増える。
運転していて疲れないし、疲れないから安全に運転することができる。アイサイトは、安全性という点で、とても大きなメリットを持っていると思う。
運転が疲れにくくなった
安心して運転できるようになると次に効果として現れるのか運転が疲れなくなるということだ。運転において集中や緊張を強いられれば強いられるほど疲れるまでの時間が短くなる。
アイサイトとの安心感は運転中の集中や緊張和らげる効果があるため、運転が疲れにくくなる。この事は特に長距離の運転をした場合によくわかる。
私の場合、年に数回であるが約1000キロの長距離を一気にレガシィで走ることがある。
レガシィに乗る前の車で走行した場合、次の日に疲れが残るぐらい仕事に疲れるのであるが、レガシィでアイサイトをうまく使用して走りきった場合は全く疲れが残らないこのことにはびっくりだった
アイサイトを知らない人にとっては安全面での効果に目が行きがちだが実際に乗ってみると運転支援システムとしての効果の方が大いに関係してくる。
一度使い慣れてしまうとこのアイサイトを超える技術が出るまではこのアイサイト以外の車は取れなくなるくらいの乗る人を虜にする技術だと思う。
評価ポイント3 アイサイト(EyeSightver.2)の全車速追従機能付クルーズコントロールの操作性
アイサイトは、操作についてもよく考えられている
アイサイトを運転開始後に、一度起動すると、ブレーキなどで、クルーズコントロール機能が解除されたとしても、手元のスイッチ一つで、追従を再開することができる。
クルーズコントロール機能で完全に停止した場合は、手元のスイッチに加えて、アクセルペダルを踏むだけで、追従を再開することができる。
(参考記事:アイサイト(EyeSightver.2)の操作の仕方 )

同じようなクルーズコントロールの仕組みを持つ日産のフーガは、前の車が停止すると、自分の車が完全に停止した後、そのブレーキ機能を保持しておくことはできない。
つまりは、運転者がブレーキを踏まない場合、車がクリープ現象で、勝手に動き出してしまう。
アイサイトの良いところは、全車速追従機能付クルーズコントロールで前の車が停止したために自車も停止した場合、停止状態を維持してくれるところだ。
日産のスカイラインやフーガも、レガシィ購入前に、試乗してみたが、停止状態を維持することはできず、クルーズコントロールが解除されてしまう。
そのため、運転者は、自らブレーキペダルを停止している間踏んでおく必要がある。
レガシィのアイサイトの場合は、クルーズコントロール機能が停止状態を維持してくれ、発進はアクセルを軽く踏み込むかハンドルのスイッチを1回押すだけである。運転中の余分な操作が省かれ運転に集中することができる。
全車速追従機能付クルーズコントロールの設定速度
また、アイサイトを利用した全車速追従機能付クルーズコントロールの設定速度は、時速40キロから最高で時速114キロまでである。
なお、GPS などを使用して実際の速度を測ってみると最高時速114キロに設定した場合であっても、時速110キロ程度で、マイナス5キロ程度の誤差があるようだ。
私自身、時速200kmでも設定が可能なドイツ車のクルーズコントロールと比べると、もう少し設定できる速度が高くてもいいんじゃないかと思う。
しかし、本当に安全のことを考えるのであれば、スピードを出したい心を自制する上でこれでいいのかもしれないとも思う。
評価ポイント4 アイサイトのAT誤発進抑制制御
コンビニなどの建物の前に駐車した場合で、カメラが障害物を検知しているときに、誤ってアクセルペダルを踏んでしまってコンビニ突っ込むみたいなことを防ぐ装置だ。
残念ながら、まだこの機能のお世話になったことはない。
滅多にないことだとは思うが、老化によって判断力などが低下した高齢者にとっては保険がわりと考えておけば良いかもしれない。
評価ポイント5 アイサイトの先行車発進お知らせ機能
信号待ちをしていて、信号が青に代わり、前の車が発信した際に、それに気づかず、よそ見をしていた時などに、ピッいうお知らせ音で、知らせてくれるものだ。
これは、意外と役に立つもので、渋滞などに巻き込まれた際や、信号待ちの際には、時々お世話になることがある。
評価ポイント6 アイサイトのふらつき警報機能
これは、車両が時速50キロ以上で走行中で、アイサイト(EyeSightver.2)のステレオカメラが車両のふらつきを検知したときに、ディスプレイと警報音で、注意を促しくれるものだ。
居眠り運転など自分が知らずのうちに危険な状態に陥っていた場合に役立つだろう。
評価ポイント7 車線逸脱警報
これは、車両が時速40キロ以上で走行中にアイサイトのカメラが走行車線をモニターし、車線から逸脱しそうになった場合に、警告音と警告表示が表れるものだ。
感覚としては、車線を踏みそうになったときに鳴るような感じだ。勿論方向指示器を作動させた時などは警報は作動しない。
市街地においては、路上駐車があったりと、車線を越える場合も多い。そういう意味では、市街地ではあまり役に立たない場合も多い。
しかし、高速道路では、うっかりサイドに寄りすぎて走っている時などに気付かさせてくれるという意味でとても役立つ。
「アイサイトはいらない」という意見
もちろんこういった技術に対して不要だと考える人もいるだろう。アイサイトが入らない理由としては、大きくは以下のようなものがあると思う。
アイサイトはいらない理由1 誤作動が心配
アイサイトがいらないと思う人の大部分はこの誤作動を心配してのことだろう。確かに、アイサイトにも誤作動がないかというとそうではなく、誤作動はある。
しかし、既にリコール等も発生しているような他のメーカーのシステムと比べて誤作動が少ないことも大きなメリットだ。
これからはこういった予防安全性能を有した車が一般的になり、標準車として近い将来販売されるようになるだろう。誤作動を心配するような人にとってもこういった車しか選べないような未来がくるかもしれない。
そのような時に重要となってくるのが、システムの誤作動の少なさなどの安定性に関する部分だろう。
アイサイトはいらない理由2 価格高い・お金がもったいない
アイサイト自体の価格は、非装着車と比べると10万円アップぐらいとなる。この10万円を安いと見るか?高いとみるか?は人それぞれだろうと思う。
ただし、一度事故にあってしまうとそれぐらいの金銭的負担は簡単に生じてしまうため、また精神的負担も生じることを考えれば、安いとみる事もできるのではないだろうか?
アイサイトはいらない理由3 自分で運転したい
「車は自分で運転するもの、システムにまかせるなんてとんでもない。」そんな考えの人もいることだろう。
もちろん、アイサイトのクルーズコントロールを使わなくてもいいと思う。私自身も高速道路でもアイサイトのクルーズコントロールを使用しない時も多い。
事故を防ぐ「プリクラッシュブレーキ」などの予防安全性能をお守りがわりに持っておくだけでもよいと思う。
アイサイトはいらない理由4 事故しない
多くの人は「事故しない。」と思っている。私ももしかしたらそう思っているかもしれない。
しかし、事故はどんな人でも遭ってしまう可能性があるものだ。また、人間は年老いてしまうものでもあり、年々運転能力が落ちてしまうのも事故を誘う原因となる。
その事故に備えておく事は重要で、アイサイトのようなシステムを活用するのが良いだろう。
アイサイトが優れたシステムとして評価される理由
アイサイトはプリクラシュセーフティーのシステムとしても、全車速追従機能型クルーズコントロールのシステムとしても非常に優れたシステムだ。
こういったシステムのなかでは最も実用的なシステムの1つだと思う。
しかしこのアイサイトというシステムが完成するまでの過程においては、アイディア自体が優れていたということもあると思うが、それだけではないと私は思う。
というのも完成までの作りこみの過程においての努力が相当に大きいと思うからだ。
優れた自動車は実際の走り込みを相当に行っている
いくらコンピュータが発達してシミュレーションがコンピューター上で出来るようなったからといっても、優れた自動車というものは実際の走り込みが相当に行われているものだ。
例えばメルセデスベンツの場合、評価の高い車については、キャッチコピーなどで「地球何十周分の距離を走りこんで作り込みました。」のようなコピーがよく登場する。
アイサイトが優れシステムである理由は、机上にとどめず、相当に実際に走りこんで、トライアンドエラーを繰り返し、作りこんだシステムだからである。
実際に開発者のインタビューなどを読んでいても日本全国を外に走り込んだという事が書かれていたりする。このアイサイトというシステムについてはそういった地道な努力の賜物なのである。
実際に相当走り込んで開発した車というのはハズレが少ない。
現在はコンピュータ技術が高度に発展したため、実際の走り込みがなくともコンピューター上のシミュレーションができ、短期間で、ある程度の車ができてしまうような時代である。
しかし、コンピューター上でサッとできる車というのは所詮そのレベルのものである。よく出来た車を探したければ、開発過程での走り込みの量についても着目してみるとよいだろう。
それは、アウトバーンでもニュルブブルクリンク、日本でもどこでもよいと思う。
アイサイトはスバルらしい技術
車の安全性を高めるためにアイサイトはスバルが開発したシステムであるが、結果このようなすぐれたシステムが完成したことは安全性に重きを置くスバルらしい技術だとしみじみ思う。
他のメーカーであれば、これらに費やされる時間やコストが無駄と判断され、技術があったとしても、コストカットの対象となっていただろうと思う。
つまりは、技術力の有無というところもあるが、それよりも、それに取り組むかどうかという点であり、会社の経営方針や会社の思想に関わる部分なのだ。
スバルという会社の持つ安全思想がアイサイトという優れた商品を作ったといっても過言ではないだろうと思う。