スバル、トヨタには不利?10年後、20年後の未来の車はどうなっているか?

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大きな変化の時代に突入した自動車の未来は?

自動車が誕生してから100年以上が経過しているが、現在車というものが最も大きな変化をむかえようとしている。

これまで、車は化石燃料(主に石油・ガソリン)でエンジンを動かし、人である運転手がハンドルを握って運転する乗り物であったが、その定義が根本から変わるような未来へ移行を始めているような時期だ。

これから10年後、20年後の未来の車はどうなるのだろうか?車の未来予測について少し考えてみよう。

「自動運転車」という未来

まず、車に関わる未来予測の中で、大きな変化の1つとして「自動運転車」の登場ということがあるだろう。

車が発明されてからこれまでずっと、運転という行為は人間が当然のごとく行うものであったが、その常識が1つ変わろうとしている。それがコンピューターによる「自動運転化」だ。

10年後(2026年) 中価格帯以上の車には自動運転モードの搭載、価格帯に関わらず全ての車がぶつからない車の技術搭載される

まず、10年後(2026年)ぐらいには、中価格帯以上の車には部分自動運転を含め、車には自動運転モードなどのような機能が搭載されていることだろう。

しかし、軽自動車のような安く提供しなければならないような車にとって、この時点での自動運転技術の搭載はコスト上難しいのではないだろうか。

先日、トヨタとスズキが提携を開始するという大きな出来事があったが、スズキというメーカー自身もその問題に大きく直面しているのだろう。

また、「ぶつからない車の技術(予防安全性能に関わる技術)」については、軽自動車なども含めて全ての車に搭載されていることだろう。

これについては、現時点でも相当のスピードで普及が進んでいるが、10年後(2026年)の時点では全て標準化していてもおかしくないはずだ。

このような状況を作ったのは先駆者であるスバルのアイサイトであり、このアイサイトという技術の登場は社会的な意義が相当に大きかったことを痛感できるところだ。

10年後(2026年)の時点では自動運転車と手動運転車が混在

そういった流れで10年後(2026年)ぐらいの時点では自動運転車と手動運転車が混在して道を走ることになるだろう。

しかし、20年後(2036年)となるとどうなるだろうか?

この時点では軽自動車のような低コスト車であっても技術革新が進み、自動運転化も可能になっているのではないだろうか?

「エンジンからモーターへ」とバッテリー(電池)の進化

「車の運転者は人間か?機械(コンピューター)か?」について上では触れてみたが、次に考えてみたいのが、「車を動かすのはエンジンか?モーターか?」ということだ。

これまでは、化石燃料(主に石油・ガソリン)でエンジンを動かし車を動かしてきたが、10年、もしくは20年のスパンでバッテリー(電池)とモーターに置き換わっていくだろう。

その将来を考える上で、モーターと同様に重要になってくるのが「電池(バッテリー)」についてだ。

現在、日産などの大手自動車メーカーも本気で取り組んでいる電気自動車(EV)であるが、一番の大きな問題は電池だ。

ネックになっていることとして、高価であるのにも関わらず容量は十分でなく、距離を走れないということだ。もちろんこの問題は、急速に改善しているし、これからも改善し続けるだろう。

軽自動車がガソリン車から電気自動車(EV)へ置き換わる時点でガソリン車から電気自動車(EV)への大きく変わる?

ガソリン車が主流である現在において、電気自動車(EV)が主流に変わる時期というのはいつだろうか?

10年後(2026年)だろうか?それとも20年後(2036年)だろうか?

ポイントは軽自動車の動向だろう。

コスト面が一番厳しく問われる軽自動車においてバッテリーを積んでも誰でも買える値段になって、距離もガソリン車と同じぐらい走れるようになってからではないか。

これについてはおそらく10年後(2026年)というのは難しく、20年後(2036年)ぐらいになるのではないだろうか?

そのようなタイミングにおいては全ての車が電気自動車(EV)に置き換わっているだろう。

それまでの間は、ハイブリッド車とガソリン車、加えてレンジエクステンダー型電気自動車(後述)が共存するような状況が比較的長い間続くだろう。

プラグインハイブリッドの普及は難しい

また、プラグインハイブリッドについては、電池を多く積むためどちらかというと電気自動車(EV)に近い車だ。

電気自動車同様にバッテリーの大容量化・低コスト化が進まなければ、急激に普及するということは難しいだろう(アウトランダーPHEVやオデッセイハイブリッドのようにレンジエクステンダー型に近い車種を除いて)。

そのようなことからプラグインハイブリッド車のような、エンジンもモーター(バッテリー)ものような欲張りな高コスト車は、今後も爆発的にヒットすることは難しい。

予想に反してヒットしたとすると、ガソリン車から電気自動車(EV)に移行する一時期のみ?かもしれないだろう。

ハイブリッド車の問題点・デメリット

現在の日本では大成功を収め、主流となっているハイブリッド車(ハイブリッドカー)であるが、それについては問題やデメリットはないのかというと、これから問題が多く指摘されるようになってくるだろう。

一番大きな問題は、「内部構造の複雑さ」だ。エンジンとモーター、バッテリーが相互に複雑な動きを行うハイブリッド車やプラグインハイブリッド車では、トランスミッションやクラッチ関連部品にとても複雑で高価な部品が用いられている。

バッテリーだけでなくそれら部品自体数が多くなってくると重量増につながることはもちろん、ユーザー側にとっては万が一それらの複雑な部品が故障した際には数十万以上の交換費用の出費がかかるというデメリットがある。

ハイブリッド車の問題点を解決するレンジエクステンダー 電気自動車(EV)の逆襲

そのような問題点を改善した車が「レンジエクステンダー」(型の電気自動車)だ。

英語表記では「Range(範囲)Extender(拡張器)」となり、その、電気自動車の走行距離を伸ばす仕組み(電気を起こすエンジン)を搭載した車のことだ。

レンジエクステンダー車の仕組み上のメリットは、基本の仕様上電気自動車となるため、複雑なトランスミッションやクラッチの部品が省略化でき軽量化・コストも削減につながることだ。

加えて、バッテリー容量を必要量程度まで減らすことができコスト・重量ともにメリットも出てくる。

さらに加えて、完全なモーターでの加速となるため、エンジン加速とは異なり踏み始めから最大トルクを発生、ひとまわりからふたまわり大きなクラスの車と同等の加速感が味わえるなどのメリットがある。

上記のハイブリッド車と比べてもメリットが際立っている。

日産は小型車ノートにこのレンジエクステンダーの仕組みを組み入れようとしているが、リーフで大きく成功できなかった日産の逆襲だろう。

普及を目指しても爆発的に普及しなかった日産の電気自動車(リーフ)の問題点

日産のリーフは、自社の販売目標を大きく下回り大きくヒットすることがなかったが、その大きな原因は、まだ発達途上の純粋な電気自動車(リーフ)を未熟なまま試乗に投入してしまったことだ。

リーフについてもレンジエクステンダー型にして販売していれば、もっともっとヒットしていた可能性が高かっただろう。

つまりは、ガソリン車から電気自動車の普及の過程の中間にレンジエクステンダーを入れなかったことが大きな敗因だったのだろう。

しかし、日産はこの反省を生かし、レンジエクステンダー方式のノートを販売し始めた。セレナに引き続き日産はまたしても(大必殺技を)やっちゃった!?のだ。

この日産のレンジエクステンダー方式のノートはトヨタ型ハイブリッドへの逆襲なのかもしれない。

ホンダ、三菱もレンジエクステンダーで復活する?マツダはロータリーエンジン!?

もちろんリーフでうまく大ヒットとならなかった日産だけではない。技術を持つホンダ・三菱にとってもチャンスであるし、またマツダにとってもロータリーエンジン復活のチャンスとなるかもしれないだろう。

レンジエクステンダーによるトヨタ式ハイブリッド時代の終わりとスバルの死角

こういったレンジエクステンダー型の電気自動車(EV)が普及するに従って、トヨタ式のハイブリッドはシェアを急速に奪われるだろう。

一部の高級車を除きハイブリッド車がなくなる?可能性も大きくあるのではないだろうか。

と、同時に問題が大きいのがスバルだ。

スバルについてはレンジエクステンダーのうわさはあまりきかない。

トヨタに比較的距離が近く、ハイブリッドに注力してきたことが今後悪い影響を及ぼす可能性があるだろう。

また、レンジエクステンダーの場合、高価な水平対向エンジン・シンメトリカルAWDの重要性は低くなってくる恐れもある。

まだ軽量・コンパクトで最適な重心を作り出すボクサーエンジン(水平対向エンジン)について良いとしても、後者のシンメトリカルAWDについては、モーターへの置き換えで不要となってしまう可能性が高い。例えば、ホンダの現行ハイブリッドのように2モーター・3モーターにすれば良いからだ。

燃料電池車は普及するか?問題点・デメリット

トヨタ・ホンダが普及を進めている燃料電池車についても少し触れておこう。

これについては、ハイブリッドよりも内部構造の複雑で、ハイブリッドと似たような理由で普及は絶望的だろう。

これからも水素ではなくガソリンの時代が続くだろう。なぜならい、水素は電気以上に燃料補給(水素スタンド)に関わる問題が大きいからだ。

ガソリンは携行・保管できるが、水素はそれも不可能だし、既存のガソリンスタンド業者が水素スタンド業者に移行できるかという点ではコスト面から絶望的だ。

そもそも燃料電池車などなくても電気自動車の移行期にレンジエクステンダー型電気自動車があれば不要だったものだ。

自動運転で自動車の免許はいらなくなるか?

最後に少し変わった話題にも触れてみたい。

それは、「自動運転が進化すると自動車の運転免許が不要となるか?」という話題だ。

結論から言うと、可能性はとても低いだろう。完全自動運転車(全自動運転モード付き車)となった場合でもマニュアルモードで運転を行う機能は残すだろう。

そういった意味で当分の間、車からはハンドルはなくならないはずだし、ほとんど使わないようになっても格納式になるだろうからだ。

これから車の買い換えで得をしたいならば、買い換えを待つこと!?

このような大激変の中で、車を買う立場としてはどのように対処するのが良いのだろうか?

(これが一番言いたかったことなのだが、前文が相当長くなってしまった…)
1つ筆者が思うのは、今の車をできるだけ長く乗って、車の買い換えを遅らせれば遅らせるほど良い車を同じ値段で手に入れられるようになるということだ。

自動運転技術も電池(バッテリー)の技術も最近は急速に発達しているし、低コスト化が進んでいる。これまで、携帯電話やパソコンが急速に普及して、性能も急速に上がり、値段も下がった時期がこれまでにあったと思うが、そのような時期にも少し似ている。

そのような意味では、車(自動車)も家電や精密機器に近づきつつあるのだろう。

安易に車を買い換えることなく、それを遅らせれば遅らせるほど、その分お金をためておけば、今まで乗ったこともなかったような夢の技術を搭載した最新モデルの車に乗ることができるだろう。

自動車メーカーにとってはきっとうれしくないアドバイスだが、消費者にとっては次の車をいつ買うか?ということは、これまで以上に重要な意味を持つようになってきているのだろう。




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