アテンザはレガシィを超えたか?(新型アテンザを試乗してみて感じたこと)

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大人気のマツダ新型アテンザ(ディーゼルモデル)を試乗した

優れたディーゼルエンジンを開発し、搭載したことで非常に人気となっているマツダの新型アテンザ。最近の雑誌等ではレガシィを超えたと評価をする自動車評論家のいるようだ。

私は今まで新型のアテンザに乗ったことがなかったが、先日機会があって、アテンザのディーゼルモデルに試乗することができた。果たしてアテンザはレガシィを超えたのだろうか?試乗で感じたことをまとめてみた。

アテンザのディーゼルモデルに試乗して感じた事

外観、レガシィよりもかっこいいデザイン

最近のマツダのデザインはこなれてきている。アテンザの試乗車を目の前にして、まず初めに感じたのはアテンザのデザインのよさだ。レガシィよりも確実にこなれているし、レガシィで私が感じているデザインのおおざっぱな感じがない。

また、ボディーサイズも大きく感じられ、堂々とした感じもある。モデルチェンジ前のアテンザもう少し車体も小さく、堂々とした感じは薄かったが、新型はそれを手に入れていた。

インテリア・車内空間、レガシィよりも横幅に感じる車内空間

まず感じたことは、車内の広さである。車体の幅で1m80cmを超えないレガシィと比べて、新しいアテンザは1m80cm(1m84cm)を超える全幅を持っている。

そのため、運転席に座ると、横方向の広さをレガシィと比べても感じる。

一方で、横幅が広くなったことにより、道幅が狭い市街地での運転は、少し難しくなるだろうと感じたのも確かだ。レガシィなら、するりと抜けて通れるような道であっても、アテンザの場合、少し気を使わなければならなかったからだ。

また、縦方向に関しては、全長もレガシィと比べてそれほど変わらない感じであるのにもかかわらず、アテンザの後部座席はレガシィと比べても狭く、後部座席の広さについてはレガシィの方が上の印象であった。

決してうるさくないドロドロとしたエンジン音

エンジンサウンドは独特のドロドロした感じであるが決してうるさくなく、ガソリン車並みかそれ以下ぐらいだった。もちろんディーゼルエンジンなので、車外で耳を済ませてみると、音がそれなりにするものだが、特にこのアテンザの場合、遮音対策をしっかり行っているのだろう。とても音は静かである。

アクセル操作に気を使うディーゼルエンジンの加速

最大トルク420 Nmを2,000回転たらずで発生するアテンザのディーゼルエンジンは、低速域では確かに早い。トルクが非常に太く、アクセルを踏んですぐの加速についてはレガシィのターボモデルであっても負けそうなくらいの瞬発的な加速力を持っている。これが強大なトルクの効果だろう。

しかし、あまりにもトルクがおおきすぎるため街中での加速には慣れていないうちは気を遣うかもしれない。レガシィのSI ドライブのようなモードセレクタを持っていないので、アクセルを踏み込むと常に、最大のトルクが発生するからだ。

レガシィのターボモデルも乗っている自分にとっては、自分のレガシィよりも少し遅い位の印象だ。トルクは強大なものの馬力については約180馬力のため、高速道路などに行くとレガシィよりももっと遅く感じるだろうと思う。そういった点から少々物足りない印象だ。

しかし、NAモデルで十分と考えている人にとっては、このトルクの太さというのは相当に魅力が高いと思う。

マツダ車らしい乗り心地

レガシィのAWDとは異なり、アテンザは、2WDらしいピッチングを感じるものの、ロールについてはしっかりと抑えられている感じがした。マツダらしいしっかりと締まった乗り心地だ。

試乗車については全くのノーマルであるものだからこれぐらいしっかりできていれば十分だという印象だった。ノーマルで考えると、ピッチングやロールについてはレガシィについても同じだからだ。

車の走りの滑らかさなどはやはりAWD のレガシィにはかなわない印象だが、運転の面白さという点ではやはりアテンザの方が上だ。アテンザには車を運転している面白さのようなものがある。

運転支援装備はやはりレガシィの勝ち

スバルのアイサイトほどではないにせよ、同じような追従機能を持ったクルーズコントロールや安全技術の採用など、レガシィとは相当に競合するものになっているのは確かなことである。

アイサイトにはないようなもの、例えば、リア・ビークルモニタリングシステムやハイビームコントロールシステム、アダプティブ・フロントライティングシステムなど、アイサイトにはない便利な技術もたくさん搭載していて便利だ。

しかし、車速調整機能付きのクルーズコントロールについて、完全停止機能つきのアイサイトと比べるとマツダのそれは少し心もとなく感じるのも事実だ。

アテンザはレガシィを超えたか?

鍵はAWDとターボだと思う。その2つにこだわらない人は、アテンザの方が上だと思うだろう。

レガシィのNAモデルを検討している人で、AWDに全くこだわりのない人であればアテンザを私の場合は勧めると思う。レガシィのNAモデルを検討している人であれば、試乗してみて損はなく、検討する価値は多いにあるだろう。

しかし、高い走行安定性を有するAWDに強い魅力を感じている人や、ターボモデルの速さに魅了されている人にとっては、やはりアテンザでは満足できないだろう。そのへんのところでは、レガシィはまだアテンザに負けていない。

レガシィであってもターボモデルを購入する人は少数で、大半はNAモデルを購入するだろうから、アテンザの登場はスバルにとっても大きな脅威だろう。実際のところ、スバルもそれなりに焦っていると思うし、その焦りが良い車の登場につながってくれるものと今後に期待している。




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