アイサイト・ツーリングアシストでないアイサイト搭載車の弱点や欠点から考えるアイサイト搭載車の買い時について

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ついに登場した「アイサイト・ツーリングアシスト」

ついに「アイサイト・ツーリングアシスト」が登場した。

走り好きが好むハイパフォーマンスカーにとっていらないと言う人もいるだろうが、これからの車には安全性能と安全性能や自動運転につながる運転支援システムは必要不可欠となってくるだろう。

いる、いらないの選択肢ではなく、あって当たり前という時代がもうそこまで来ているのだ。
この分野で今のところ進んでいる、成功しているのは、スバルと日産だろう。
両社とも「アイサイト」と「プロパイロット」という目玉の技術で首位争いを繰り広げている。

特にハンドル制御については、これまでプロパイロットにアイサイトは劣っていたが、今回のアイサイト・ツーリングアシストで再度上回った形となっただろう。

速くて楽しくて、安全で疲れない車に

このたびのアイサイト・ツーリングアシストは、レヴォーグとS4から搭載が開始されるが、特にこのレヴォーグやWRX S4の300馬力クラスにとっては最強の装備になるだろう。

GT-Rや外車などの一部の高額な車を除いて、大衆車の中でも最も速くて楽しく、安全で疲れない車になるだろう。
安全性では、GT-Rや多くの高級外車を上回るものになるはずだ。

これまでの速い車は、何らかの形で安全性や快適性を犠牲にしている場合も多かった。
そういった意味では、レヴォーグとS4は新しい時代のGTカーの形となるだろうし、自動運転になったとしても、「速くて楽しい車」という要素も残っていくだろう。

アイサイト搭載車の購入はもう少し待ったほうがいい?

このようなサイトで記事を書いていると、知ってか知らずか両方あるが、知人から車の相談を受けることも多い。
最近多いのが、「スバルのアイサイト搭載者を購入しようと思うのだが…」といった相談だったり、「スバルのアイサイト搭載車の買い時か?」のような質問だ。

スバルのアイサイトも、他社の技術も自動運転等に絡む技術全般が急速に進化しているため、購入するタイミングが難しいということがあるのだろう。

私は、自動車販売など、車に関わる生業でも何でもなく、自由にアドバイスできる立場であるが、そのような立場からからは、「アイサイト・ツーリングアシストが搭載されているならば買ってもいいのでは」のようなアドバイスをする。

それは以下のような理由からだ。

アイサイト・ツーリングアシスト「ではない」アイサイト搭載車の弱点や欠点

アイサイト・ツーリングアシスト「ではない」アイサイト搭載車の弱点や欠点には以下のようなことがあるだろう。

  • 車線中央維持機能(ハンドル制御)があるアイサイトについて車線中央維持機能(ハンドル制御)は時速60キロからしか動作しない(「アイサイト・ツーリングアシスト」では時速0キロから動作)
  • クルーズコントロールの上限速度が時速100キロまでしか設定できない(「アイサイト・ツーリングアシスト」では上限速度が時速120キロ(時速135キロ*)まで)
    *メーター誤差への対応のため
  • 先行車への追従機能がない(「アイサイト・ツーリングアシスト」では先行車への追従機能がつく)

これらをまとめてみると、これまでの車線中央維持機能やハンドル制御は、日産のプロパイロットと比較してしまった場合、未完成のようなレベルだったが(もちろん比較しなければ高い優位性は持っている)、本格的に時速0キロから対応できるようにすることで、やっとプロパイロットにも対抗できるようになったということだ。

また、先行車への追従機能が付いたことやクルーズコントロールの上限速度が引き上げられたことは、地味ながら相当に使い勝手が向上する改善であると思う。

詳細に、またわかりやすく解説されている以下のサイト(Car Watch)は参考になったのでお礼もこめてここで紹介しておく。

(参考になる他サイト:劇的進化を遂げたスバルの安全運転支援技術「アイサイト・ツーリングアシスト」を完全理解 – Car Watch

大きな弱点 日産とマツダに予防安全性能で抜かれているスバル

その他、現状でスバルは日産とマツダに予防安全性能で抜かれているという問題もある。
新しいアイサイト・ツーリングアシスト搭載車の評価はこれからだろうが、今の時点では、予防安全性能アセスメントで一番の高得点は、日産のセレナが71点(満点)で2番は70.5点のマツダのアクセラだ。
スバルは、多くの車種が高得点ながら、60点台後半で70点台に乗せられている車はまだない。

(参考サイト:JNCAP|予防安全性能アセスメント 2016年度評価

ポイントは、被害軽減ブレーキ(対歩行者)だろう。

全メーカーとも一番点を落としているのはこの項目だからだ。
車種によっては、この項目で大幅な減点となっている車種さえ見受けられる。

スバルとしては一番の強みの部分(安全)で負けた訳で、いくらクルーズコントロールなどの制御が素晴らしくとも、このままこれを放置することはないのではないだろうか。

スバルがこれから行うことを予測すると

上記のようなことをふまえると、今後スバルが取り組むこととして以下のようなことがあるのではないだろうか。

  • 予防安全性能アセスメント評価において満点をとる。

何にでもプロパイロットを搭載しようとしている捨て身の日産、運転の楽しさに加え、安全性まで売りにしようと淡々と狙っているマツダに負けてしまうだろうからだ。

  • レヴォーグやS4だけでなくアウトバックやXV、フォレスター、インプレッサにもアイサイト・ツーリングアシストを搭載してくる。

間違いなくアイサイトを売りにする基幹車種(レヴォーグやS4だけでなくアウトバックやXV、フォレスター、インプレッサにまで)アイサイト・ツーリングアシストを導入してくるはずだ。

 

特に日産がなりふり構わず、高性能なプロパイロットを車種拡大しようとしている中、またマツダが「安全」というスローガンをスバルから奪おうとしている中、一部の車種のみの搭載とすることはスバルにとって難しいことになってくるだろう。

日産と比較すると、小さな自動車メーカーであるスバルが全車種に搭載を急ぎ行うことは、いろいろなリソースの上でもとても高いハードルがあるとは思う。しかし、これが大きな自動車メーカーである日産、そして、この分野で出遅れているトヨタや、目立たないホンダにも優位にたてる鍵になってくるのかもしれないとも思うところもある。

アイサイト搭載車を買うならば

そういったことから、結論までが長くなってしまったが、アイサイト搭載車を買うならば、お目当ての車種にアイサイト・ツーリングアシストが導入されてからだ。
もちろんレヴォーグとS4であれば、もう搭載されているので購入はおすすめできる。

もう少し時間に余裕があれば、予防安全性能アセスメント評価で満点をとったのを確認してから購入しても良いだろう(しかし、必ずしも満点をとるとは限らないのでこれは何とも言えないが)。

そういったことから、一スバリストとして、スバルのメーカーやディーラーの販売関係者の人には、大変申し訳ないのだが、親しい人には、「スバルのアイサイト搭載車はツーリングアシストが付いていない車は今買わないほうがいい」とアドバイスするようにしている。

アイサイトver.4まで待つべきか?

さて、今回のツーリングアシストについては、ver.4ではない。
あくまでもver.3の中となっている。

そういったこともあって、アイサイトver.4まで待つという人もいるだろう。しかし、果たしてそこまで待つべきだろうか?

私が思うところだが、アイサイトver4まで待っても良いが、アイサイトver4は、もしかしたら2020年ごろまで待たないといけないかもしれないし、機能としてはセンサーやGPSマップを活用した車線変更の自動化程度に収まり、完全自動運転とはいかないのではないかと思う。

GPSマップだって、結構ハードルや潜在的な問題点は多いはずなので、そう簡単に実現できるとは思わないところもある。

例えば、テスラが最も自動運転では先をいっているようにも見えるが、それでも完全自動運転まではまだ道は遠そうだ。

そんなところを見る限り、このアイサイト・ツーリングアシストの技術レベルが当面は続くだろうし、アイサイト・ツーリングアシスト搭載車を購入したとしても、すぐに技術の進歩的に使えなくなるということは少ないとは考えるところだ。




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