アイサイト搭載車は完全に事故を防ぐことができるのか?ぶつからないクルマなのか?

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スバルのアイサイト搭載車は完全にぶつからないクルマなのか?

「ぶつからない車」として大ヒットしたスバルのアイサイトであるが、多くの人が気になっていることとして本当にぶつからない車なのかということがあるだろう。

実際、乗ってみて思うことは、やはりそんなことはないということだ。(参考記事:「ぶつからない車」が実際にぶつかるとき アイサイトは本当にぶつからないか?  )

実際にぶつかりそうになることもあるし、側面事故や背面の追突事故などには効果がないというところで、これでまったくぶつからないということはないだろう。

しかし、そうはいっても確実に感じることは、事故の割合自体は相当に減らせるだろうということだ。実際アイサイトでどれぐらいの事故を減らすことができるのか。興味深いデータがスバルから発表されているので見てみよう。

アイサイト搭載車では追突事故のうち8割を減らすことができる

富士重工業が2016年1月26日に発表したプレスリリース「スバル アイサイト搭載車の事故件数調査結果について ~搭載車は非搭載車比、約 6 割減~」に面白いデータが載っているので紹介してみたい。

その富士重工業が発表したプレスリリースによると、アイサイト搭載車は非搭載車に対し、1万台あたりの件数で、車両同士の追突事故では約8割減、対歩行者事故では約5割減、調査対象全体では約6割減であることが判明したというものだ。

8割減や5割減などこれだけを見るとものすごい印象だろう。たしかにそれなりにインパクトがある数字だと私も思う。もう少しこれらから考えられることについても深く考えてみよう。

アイサイト搭載車ですべての事故を防ぐことはできない

やはりこの数字を見ていて思うことはアイサイト搭載車ですべての事故を防ぐことはできないとういうことだろう。たとえ8割減であっても残りの2割は、実際に追突事故にあってしまっているのだ。

しかし、事故件数のうち相当の数の事故を減らすことができるのは証明できている。もちろん、多くの人が考えているとおり、完全に運転が自動化されたとしても、完全にぶつからない車なんてそもそもできなものの、大幅に事故件数を減らしたアイサイトという技術は相当に評価できるものだろうと思う。

人身事故についてはまだまだ防ぐことができていない

もう一つ、この統計について着目しておきたいのが、人身事故についてはまだ半分程度しか防げていないということだ。

アイサイトは、歩行者に対しても有効なシステムであるが、行動パターンも多く、予測が難しい歩行者の動きに対して完全に事故予防することができないのだろうと思う。

今後アイサイトについては事故が少ないという評判が高まってくるだろう。それに従いシステムを過信する人もあらわれてくるだろうと考えられる。

特に人身事故については、半分程度しか防げていないのであって、歩行者を大怪我させたり、場合によっては死亡させたりするリスクもあるのだから、アイサイトであっても加害者・犯罪者にならないようにシステムを過信し過ぎないということが重要だろう。

誤作動やシステムトラブル自体が少ないことも評価すべき

この統計には現れない部分であるが、このアイサイトというシステムについては、実際に使用していてとても信頼性が高いというところも評価すべきであろう。

近年同様のシステムが日本車の間で一般的になって思うところであるが、他社のシステムと比べて確実に反応するし、誤作動なども少ないと感じられる。一部の日本車のものは、異常停止したりでリコールの対象となっていたりするものもある中で、私のアイサイトについては一度もリコールの対象になったことがない。これについても大きく評価すべきであろうと思う。

このような難しいシステムが誤作動がなく動いているということが驚きだ。おそらく、このシステムをリリースするまでの間に私たちの想像がつかないぐらい大変多くのテストをおこなってきたことによるものだろうと思う。

そのため、アイサイトのヒットに急かされて大急ぎで安全装置を装着し、十分な期間をテストにあててこられなかったメーカとは完成度の高さが違うのだろう。

自動車保険の保険料に良い影響が及ぶ可能性も

一般にアイサイトが事故率を低減させるということが世の中に広まってくるにつれて、自動車保険の保険料等にも良い影響が及ぶ可能性がある。

スバルと比較的仲がよいのは損保ジャパンなどであるが、アイサイト搭載車割引などの付いた自動車保険をそのうち販売してくれるのではないだろうか。

ABSがついた車に自動車保険の割引があるように、アイサイトなどの予防安全装置が付いた車に割引が作られるのも違和感がない感じだろう。アイサイトは、事故を防ぐだけではなく、私たちのお財布にも良い影響を及ぼす可能性も秘めていると言えるだろう。




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