スバルのAWDの種類

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スバル車の技術の核の1つにシンメトリカルAWDというものがある。
AWDのことを詳しく知らない人にとっては4WDといったほうがわかりやすいだろう。

私もレガシィのAWDに乗る前までは、雪国以外はAWD(4WD)は不要と考えていた。
しかし、今では車がAWDでないことは考えられないぐらいAWDのファンである。

スバルではAWD開発の長い歴史を持つだけに、AWDの種類も多岐にわたっている。
そこで簡単にAWDの種類について分類してみたい。

1.VTD-AWD

私の乗っている2.5GTアイサイトや、2.0GT DIT、WRX STIのAT車系(Aライン)に使用されているのがこのVTD-AWDだ。
VTDは、バリアブルトルクディストリビューションの略で、前後のトルク配分が可変であることを意味する。
前後のトルク配分は、基本が45:55で若干リアにトルクがかかっておりFR車のような効果も狙っている。
そのためスポーティで回転性が非常に良い。高速コーナーであってもぐいぐい曲がる。
トルク配分はもちろん可変なので、状況によってトルク配分は変わる。

 

2.アクティブトルクスプリットAWD

レガシィやインプレッサ、エクシーガのノンターボ系に装着されているのがこのアクティブトルクスプリットAWDだ。
上記のVTD-AWDと基本のトルク配分が異なり、こちらは前後のトルクバランスで、60:40となっている。
トルク配分がフロント寄りのため、こちらは上記のものと異なりFF車的な効果を狙ったものとなっている。
「ぐいぐい曲がる」というよりは安定性重視な感じだ。

 

3.ビスカスLSD付センターデフ方式AWD

これは、フォレスターやインプレッサなどのMT車に搭載されているAWDだ。
特徴的であるのは、AWDの制御に電子制御を用いないことで、センターデフとビスカスLSDを用いて各車輪の回転数を制御しているのが特徴だ。
電子制御は用いなくても高度なAWDが作れることを証明している。

 

4.DCCD方式AWD

AWDの中でも最も高性能なのがこのDCCD方式のAWDだ。
WRX STIのMT車に搭載されている。
前後のトルク配分は基本41:59のリア寄りだが、ユーザー自身が車内のスイッチにてトルク配分を設定することもできる。
電子制御も緻密で素早い路面状況の変化にも瞬時に対応できるようになっている。
AWDで基本安定しているが、FRのようにぐいぐい曲がる。
スバルのAWDの中で最高峰に位置するAWDと言える。

 

最近、フォレスターの新型モデルが誕生したが、そこでX-MODEという装備が装着されている。

このX-MODE付のフォレスターは、基本アクティブトルクスプリット式のAWDである。
しかし、それからは一段階進化していて、エンジン・トランスミッション・AWD・VDCを統合制御し、4輪の駆動力やブレーキなどを適切にコントロールできるようになっている。

つまりは、より電子制御の度合いや範囲があがっていて、制御も緻密になっているということだ。

また、このような多くのAWDの種類に加え、シンメトリカル(左右対称)なことも、車の安定性を高めるうえで重要な意味を持っていて、それを知るとさすがだと感じる。

こうやってスバルのAWDをまとめてみると、改めてスバルのAWDへの注力ぶりが感じられる。

AWDを経験したことのない人にとっては意味不明だと思うが、乗ってみると素晴らしさを感じることができるだろう。

 

【参考】
SUBARU : スバルのクルマづくり SUBARU SPIRIT  SYMMETRICAL AWD
http://www.subaru.jp/about/technology/spirit/driving/sawd06.html




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